2012年11月20日

遭難事故について

ご存知かと思うけど、今月3日、こんな事故が万里の長城で起こった。3年前の北海道での遭難事故の時と同じツアー会社が作ったツアーでの事故であった。

ある旅行代理店からメールが入った。

私自身は今年7月2日のツェルマットでのハイキングツアーがヒヤリとさせられるものだったんだけどね。
ローテンボーデン〜リッフェルアルプへの1.5時間ほどのハイキングコース。
初心者向けのたいへん眺めの良いコースである。
大名行列のように数珠繋ぎとなるので2時間ほどは予測するけど。

ええ、その日は朝から天気は悪かった。
いくつものツアーグループがGGB駅に集結。

ああ、やだな・・・
仕事には違いないけど、雷鳴ってるし、おそらく上は雪が降るはず・・・な天気だった。

後から友人ガイドに聞いたら「え゛?歩いたの???上のホテルのレセプションで歩けるかって聞いたら“あなた死ぬ気か?”って問い返された」と言う( ̄△ ̄|||
そうなの?アテクシ、死ぬ気だったのか・・・

その日の添乗員は歩かないツアー客と共に下山してしまった。

ぇぇぃ!ままよ!

霧の中を下山中、リッフェル湖辺りでみぞれね・・・( ´△`)アァ-
そして、雷が。何を隠そう、私は雷が大嫌い。

大嫌いでも、そッれでも霧の彼方に雲の彼方に見え隠れする山の名前、海抜何メートル、花の名前は逐一お知らせする。
みなさま(ヤだわ、雷鳴ってるし、足元ぬかるんでるし、雪降ってるしと思いつつ)イヤフォンガイドで聞いてようが聞いてまいが。
なんて言うかな・・・胃の底と言うかゾッとするあの芯の辺りがキリキリしている状態でもご案内はするわけよぅッ!

(中には、こんな天気になるだなんて聞いてなかったって 爆苦笑 私だって聞いてなかったですわよ)

ホントに怖かった・・・

他にいくつものグループが歩いていた。
写真が趣味の方々はそんな中でさえ一眼レフを振り回していた。
呆れたね。

お願い、傘なんてささないでください・・・
雷鳴ってるし。

3年前のトムラウシ山の遭難事故後、それまでの傾向は「雨が降ろうが槍が降ろうがツアー客の1人でも歩くと言ったらハイキングは発生する」的むちゃぶりは現地代理店からの旅程表に「悪天候の場合はハイキングがキャンセルされる場合がある」と記されるようになった。

でもね、それも1年経ち2年経ちするうちにそんな表記はあってないようなものになるわけ。

現に、7月2日のあの雪と雷セットの中を歩いた私は今でも生きている。
成し遂げた?ツアー客たちは「ほらね?何も起こらなかったでしょ?」って思っただろう。

あの時期、凍死するほどの寒さはなかったにせよ、落雷にあったら確実に死んだでしょ。

そう。
過去ログにも書いたと思うけど、怖かったんだからね。

5日の記者会見にて
「ツアーを主催したアミューズトラベルの板垣純一総務部課長が5日、記者会見し、「悪天候にもかかわらずツアーを強行した判断は中国人添乗員と現地ガイドが行った」と述べ、「会社としてはツアーの詳細をよく把握していなかった」と、ツアー客の安全管理を現地ガイドに任せきりの無責任な企業体質を露呈」
と発表。

(しかし、あの時の同じツアー会社だったとはね。私個人なら絶対歩かないから!と言い放ったことは取り上げて貰えそうにありません)
ぇ・・・?なんておっしゃたの?

怖いでしょ。
私は何を隠そう現地ガイド。
後から、なんでそんな日に決行したのかね?って問われる立場ってこと。

ガイドが危険性を帯びていると判断してのキャンセルについてのガイドラインを現地のツーリストインフォに委ねるのか現地旅行代理店の判断に委ねるのか明確にしたいと思ったしだいで。

国土交通省 旅行業者が行うツアー登山の安全確保について(別紙依頼文参照のこと)

亡くなられた方々のご冥福を祈ります。

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